サカエヤはなぜ生産農家にこだわるのか?
種別(雄/雌)や格付け等級(A5など)にこだわるお店が多いなか、なぜ、サカエヤはそうまでして生産農家にこだわるのかと、よく聞かれます。
そりゃそうです。一般的に評価の高い未経産の雌牛やA5の肉牛を販売しているほうが売りやすいのかも知れません。
じつは、サカエヤも数年前まではそうだったのです。9年連続でチャンピオン牛を落札し続けた実績もあるのです。
その頃は、肉質の違いは産地の違いだと思っていました。例えば、同じ但馬の血統の子牛を買い付けても、松阪で肥育すれば松阪牛なりになり、近江の地で肥育すれば、近江牛なりになると思っていました。
生産者ごとに味が違うってホント?
本当です。同じ土地でたとえ隣同士の牛舎であっても、生産者が違えば肉質は大きく変わってきます。もちろん、血統や飼料によるところもありますが、生産者によって育て方が違うことが要因です。
いくらサシがきれいに入った肉でも、いくら格付け等級の優れた肉でも、すべてがうまいかといえばけっしてそうではありません。ましてや舌の上でとろけるような肉はうまいけど量がいただけないとお嘆きの声をよく耳にします。
理想は、格付けも上級で味も上級
サシがきれいに入り、うまくてあっさりとした食感の肉質が理想です。そうなると、子牛の段階から質の良い飼料を与えなければいけません。輸入の飼料よりも、自家産の粗飼料は、丈夫な牛の体作りのためだけではなく、もっとも安全性の高い安心できる飼料なのです。
サカエヤでは、子牛の段階から見続けるために、毎日のように牛舎へ通い、種まきから刈り取りのお手伝いまで協業し、おいしいだけではなく安全性にも真剣に取り組んでいます。だから、生産者にもこだわりたいのです。
環境保全型肉牛生産への取り組み

牧草の種まき。
秋に種(イタリアンとエン麦の混播(コンパ))をまきます。

春に(5月ぐらい)モアーコンデショナーで牧草(ソルゴー夏の牧草)を刈り取ります。

牧草を収穫した後に牛糞を散布して次の種(ソルゴー)をまきます。8月にソルゴーを収穫します。刈り取った田はそのままで2回目の牧草を収穫します。(夏は2回かい収穫する事ができます。)

ワラを収穫した後の牛糞まきです。
次の米の肥料になります。

2回目は10月の収穫になります。
ロールべラーで牧草を巻いて塊にします。

ラッピングの作業です。牛たちは1日2個づつ食べます。

ロールべラーで牧草を巻いて塊にしたものを軽トラで運びラッピングします。この機械は自給飼料増産総合対策で補助金によって導入した機械です。
自給飼料による健全な家畜生産をテーマに、後藤牧場、木下牧場、藤井牧場が平成14年に近江牛粗飼料生産組合を設立しました。
はじまりは、産まれたときから出荷までを、すべて自家産の飼料で近江牛(オウミウシ)を作りたいという想いからです。
すなわち、自家産で賄うことによって、仕入れが発生しないのですべてが把握できるということです。
牧場にとって大きな問題は、糞尿です。
牛が増えればもちろん糞も増えます。3牧場では、糞を田んぼに還元し、田んぼで飼料を作り、実った牧草を牛が食べるという資源の循環が行われております。
そのために機械の導入(農業技術事業への参加)や、無駄がないように、より良い飼料を作っていく勉強、地域肉用牛増産研究会などへの参加により、その成果が認められ、滋賀県より「自給飼料良質生産表彰」受賞しております。
このような取り組みにより、産まれてくる子牛はコスト低減することができ、安定生産にも繋がっております。
また滋賀県のブランド米、「近江米」も牛糞の利用により化学肥料の低減に役立っております。 飼育に必要なワラ、牧草など、すべてが自家産で目の行き届く飼育体制となっております。
地域の特徴を活かした地域産の飼料による飼育法こそ、自然との共存であり、環境保全型肉牛生産への取り組みなのです。
自給飼料増産総合対策について
自給飼料増産総合対策とは、既耕地等の活用による自給飼料基盤の強化、飼料生産の組織化・外部化等の推進、耕畜連携による効率的な飼料生産、日本型放牧モデル経営の育成、公社牧場の効率的利用、飼料生産利用に係る新技術の確立・普及等のための作付条件、施設機械の整備を行う事業のことです。
木下、後藤、藤井の3者は平成12年3月の口蹄疫の発生で、輸入の牧草に対しての安全性が疑われた事に端を発し、また、BSEの発生によって粗飼料を考えを根本から見直すことにしました。
そして、3者は平成13年に近江牛粗飼料生産組合を立ち上げました。
【立ち上げることによるメリットは以下の5項目】
- 生産コストの低減による和牛大家畜経営の安全と飼料自給の向上
- 家畜糞尿の草地への適切な還元による環境問題への対応
- 水田転作の引き受け等も考慮した自給飼料増産
- 輸入飼料による病気を防ぎ安定的な自給飼料による大家畜を飼養
- 和牛繁殖一貫経営の大家畜飼養のコスト低減により和牛増産につながる
結果として、和牛大家畜(母牛)は90%まで自給飼料で飼養し、子牛も自給飼料で大きくしていく事が出来るようになりました。
目的達成までの大きな問題は、機械を購入するための資金でしたが、3者で立ち上げた近江牛粗飼料生産組合で購入することができました。その成果が認められ、滋賀県より「自給飼料良質生産表彰」として表彰されました。
安心、安全ということが、あたりまえのようになっていますが、こうした取り組みを知ってもらうことで、再確認していただければと思います。



